潜在的な能力を活かしてほしい
女性、高齢者の長年やりたかったことを引き出す

「保育園の子供たちにおしげちゃんの料理の日は楽しみだ」と言われたんですよと話す60代後半の茂子さんと出会ったのは、12年前の能代市「咲く咲く」というコミュニティカフェでした。
初めて能代市を訪れ、前日の講演を終えて女性たちとの懇談の場を頂きました。
そこで、商店街、町内会、ボランティア団体に属する18人の女性との時間がありました。
私は「皆さんが一番輝いていたなと思う頃のお話をお願いします」とテーマをお伝えしました。
その中で出てきたのが、上記の茂子さんのお話です。
茂子さんは口が重い(おとなしい)方で、こんなにしっかりお話をされる姿に周りのお知り合いが驚いていました。
私は、茂子さんとその後も年に2回程度お会いする機会があり、茂子さんの町内会の集会場に泊まらせてもらい、夜も朝もご飯を運んでもらうような親しいお付き合いとなりました。
何を食べても、美味しい。そしていつも笑顔で働いている、かっぽう着姿のしげちゃんは、日本の母のようなあったかした。
茂子さんの夢をかなえるために、お品書きを作ろう、原価をもう少し低くしよう、秋田の山菜はどこの地域の人が喜ぶかなどをお伝えしてきました。時には厳しい指導もあったと思います。
そして3年前茂子さんは、郷土料理を伝える、ケータリングをする、加工品を作る団体を立ち上げ代表になりました。夢はかないました。
大阪や東京からのツアー客にお昼ご飯を提供してもらう、漬物教室の先生になってもらうなど、少しでも稼ぐための仕組みも作り今も継続しています。
やりたいこと、出来ること、求められていることをつないで、仕事にしていく。
日の当たらない、黒子だった女性にスポットライトをあてることは、私の使命だと思っています。