相手に聞いて貰える話し方 その4 ツカミの1分が大切
「会話が弾まない」、「すぐに途切れてしまう」という相談を受けることがあります。
例えば、「ラーメン食べに行った」と相手に話すよりも「先週の日曜日行列が出来ると評判の札幌ススキノの△△にラーメンを食べに行ったんですよ」と切り出す方が展開は広がるでしょう。
そして、その時に「味噌チャーシューを食べた」ことは話さないのが大切です。相手に質問しやすい、質問したくなるテーマを敢えて残すのです。
食事やスポーツなど趣味や旬の話題から入って、仕事の提案につなげる場合が多いと思います。その際、入り口で「面白くない人」と思われては残念ですよね。
ラーメンの話題に戻します。
話のキャッチボールをして、最後は相手から『それはいいですね。食べてみたいな。ぜひ今度ご一緒させてください』と共感してもらえたら、最高です。
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私は講演をすることが多くなった頃から、プロとして恥ずかしくないように訓練を受けています。その最初はもう10年前になります。先生は志援塾の大谷由里子さんです。生粋のお嬢ですが、大学卒業後に吉本興業に入社し横山やすしさんの最後のマネージャーとしても有名な、講演家でプロデューサーです。
大谷さんは、90分の講演でも60分の研修でも「つかみ」が大切。最初の1分で、「この講師の話を聞こうと思っていただくために日ごろからつかみのネタを100本作らなきゃいけない」と教えてくださいました。
自分の話力、話題の豊富さ、人間の器などを感じてもらえるようなネタづくり、そう簡単ではありません。
私が心がけているのは、①旬の話題であること、②少しだけ専門性を入れつつ難しくなり過ぎないこと、③可能なら笑いを取れるエピソードトーク、④自分の人間性をわかってもらえることです。それをギュッと詰め込むのは本当に至難の業。でも貴重な60分、90分を聞いてくださる方の大切な時間を無駄にしたくないので、真剣勝負で臨んでいます。
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ボキャブラリーの多さも会話を盛り上げる方法のひとつです。でもそれを身に着けるには早道はありません。ボキャブラリーを増やすには、まず文字を読むことだと思います。ボキャブラリーはあるけど、使い方や表現が下手な方は、小説やエッセイ、脚本などを読んではどうでしょうか。そしてインプットしたらアウトプットしないと身につきません。
長すぎる話は嫌われます。結論を話してから、「その理由は3つあります」と前置きをしてくれると、聞く方も3つなのねと安心します。これも、あれも、そうだもう一つ加えたい。あれも…とダラダラ話すと、「あれ、この人話す内容を決めてないタイプかな」と思います。これも脚本を作れば、解決することですね。
折角時間を取ってくださった方に、「早く帰ってくれないかな」と思われないためにも、話し方にもう少し意識してほしいです。
この人にはまた会いたい、もっと話をしたいと思ってもらえるために、努力は必要ですね。